社会学2:学問としての社会学

テキスト社会学
社会学のあゆみ (パート2) (有斐閣新書)


○学問としての社会学の成立


 ●デュルケム/Durkheim,E:
     ・コントの実証主義を批判的に徹底 ⇒社会現象は社会的事実によってのみ説明可能
  (1)『社会学的方法の規準(1895)』:
      …反心理学としての実証主義→社会は個人に還元できない一種独特の実在
       =方法論的集合(全体)
        ・社会学の固有の研究対象:
         →社会的事実=個々人の意識のうちに強制的な影響を及ぼしうる固有の性格において 
                認識されることのできる行為・思考の様式、個人に外在し個人を拘束
        ⇒ 社会学主義:個人の心理的要因による社会的事実の説明を退け、
                心理的事実は社会的事実の延長に過ぎないと考える


  (2)『社会分業論(1893)』:
      ◆前近代社会(=環節社会):同じような労働をする個人が単純に結合・自己完結
        →機械的連帯…法律は全体の秩序を守るため、個人を「抑止」する刑法中心
      ◆近代社会:個性を備えた人々が異なる労働(分業)をするが故に相互に有機的に連帯
        →有機的連帯…個性的な個人間の調整が要請され、関係を「復元」する商法・民法中心
         ・習慣の共同性など「社会の統一性」があると、有機的連帯可能  
                     ↓     ないと、アノミー
                   「集合意識」…個人に対し外在的な行為・思考感情の様式からなり、
                          拘束力をもった強制的なもの=抽象的な道徳的拘束性


  (3)『自殺論(1897)』:
   →自殺の類型
     ・自己本位的自殺:社会統合の弱化=個人化したときに増加する自殺
          ※ 自己本位主義(エゴイズム)…個人を拘束する強い規範
     ・集団本位的自殺:社会統合が強すぎるときに生じる自殺
     ・アノミー的自殺:無規制の欲望=満たされない無限の苦悩で生じる自殺
          ※ アノミー…個人を拘束する規範そのものの不在
     ・ 宿命的自殺 :欲望の規制が強すぎるために生じる自殺
        ⇒ 社会統合の強弱、欲望の規制の強弱


  (4)『宗教生活の原初形態(1912)』:
     →トーテミズム:それぞれの部族を相互に区別し世界の中に位置づけるカテゴリー様式
             社会と人間を分類し、秩序だてるための思考の様式 
        ⇒社会=社会がそれ自体についてくるカテゴリーによって構成
            →「集団表象」


    ※ デュルケムの「集合意識」は、フロイト・心理学の「無意識」のように、
      時に非合理的現象・情動エネルギーとして噴出するもの


 ジンメル/Simmel,G:
  (1) 相互作用としての社会:
      ・社会=人と人、人と集団、集団と集団との相互作用の結晶(社会化)
           →この相互作用の様式化(社会化の形式)を社会学の研究対象に
         ※社会実在論、社会名目論を批判
           ・社会実在論(社会=一つの実体)
           ・社会名目論(社会=名称に過ぎず実在するのは個人)と異なる立場
                              ⇒個人や集団が取り結ぶ相互作用


  (2) 形式社会学
      ・社会学の課題:個人や集団の相互作用の形式を抽出し記述すること⇒形式社会学
              →内容と形式を分離し、相互作用の形式(社会化の形式)を抽出する
     ※ 一般社会学 :相互作用の結果である超個人的な歴史現象を機能的に扱う
      ※ 哲学的社会学:認識論 … 社会諸科学の条件・前提を吟味
                形而上学… 経験事実を仮説の形式・思考を通して全体像にする


  (3) 『社会的分化論』社会圏の交差:近代社会の中の個人
      ・近代社会:個人、複数の集団に帰属=社会圏の交差→個別化の可能性は無限に増大


 ウェーバー/Weber,M:
   (1) 社会科学の方法:価値自由と理念型
       →価値自由…認識(であること)と価値判断(あるべきこと)を峻別し、両者の緊張関係を維持
         理念型…暫定的に特定の視点から構成された人為的概念(論理的構成物)であり、
             そこから歴史や社会を把握しようとする
       

   (2) 理解社会学
      →社会学:社会的行為を解釈によって理解するという方法で、
           社会的行為の過程−結果を因果的に説明しようとする科学 
       ・現実的・直接的理解…観察者の経験的知識・体験から外面的に理解       
       ・ 説明的理解 …行為者の内面に立ち入り行為の動機付けの過程を理解
        →・ 行為 … 主観的意味の含まれる行動
         ・社会的行為… 行為者の主観的意味が他者の行動と関係し、それによって左右される行為
     ⇒ 社会学の対象 :主観的意味と他者への志向性
      方法論的個人主義:社会を構成する単位的な要素として個人行為者を選び、
               その行為関係の原理を追究


     ※ 社会的行為の4分類(理念型)
      (1)目的合理的行為:他者の行動を予想し、その予想を自分の目的の条件や手段とする行為
      (2)価値合理的行為:結果を度外視した行動そのものの倫理的、美的な価値のための行為
      (3) 感情的行為 :直接の感情や気分による行為
      (4) 伝統的行為 :身についた習慣による行為


   (3) 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(1905)』:
       → 人々の行為の主観的意味およびその連関を理解することを通して、
         近代資本主義の成立を因果的に説明しようとする試み
         =歴史を「合理化」の過程として捉える
   
    
     ※ 近代資本主義の成立を、それに適合的に行動するような精神的な構え(エートス)である
       「資本主義の精神」の形成過程の分析を通じて理解しようとする
        ・資本主義の精神 … 勤勉に質素に生業に励み、時間や約束を遵守する態度
        ・  その担い手 … 利潤の追求それ自体を人生の目的と考える
                   ⇒カルヴィニズムの予定説


   (4) 支配の社会学と官僚制論:
       →支配…ある内容の命令を下した場合、特定の人々の服従が得られる可能性と定義
           ・利害状況(経済的な取引)による支配
           ・権威(命令権力と服従権力)による支配
      

       →(1) 合法的支配 :制定化された合理的規制によって正当化、それに服従
        (2) 伝統的支配 :伝統の神聖さによって正当化、人格的権威に服従
        (3)カリスマ的支配:予言者や英雄に対する服従