社会学3:社会学の発展

テキスト社会学
社会学のあゆみ (パート2) (有斐閣新書)


社会学の発展
 シカゴ学派
   (1) シカゴ大学:1892ロックフェラーがその富を投じて創設
   (2) シカゴスタイル:
     ・徹底したフィールドワークによる経験的研究&それをモノグラフにまとめる
     ・社会的相互作用の動態、社会過程に着目して社会を把握しようとする
     ・プラグマティズムの思想:真理…論理上の真偽よりも実践上の有効性にかかっている
         ⇒自己のコントロール能力を高め、社会進化、発展に寄与することを目指す


  ◇ アメリ社会学の先駆者:サムナーとC.H.クーリー
    ・サムナー:「フォークウェイズ」 … 人間が自らの欲求を充足させるために、
           ↓正しいと認識     多様な試行錯誤を繰り返し、見つけた充足方法を
          「モーレス(⇔タブー)」   集団全体が習慣化したもの

    ・C.H.クーリー:社会=人々が相互に抱く観念の体系の中に存在
               ⇒[社会−個人]が分離せず、自我の意識の中に統合
           ・「鏡に映った自我」: 
            ⇒社会的自我…第一次集団(家族・仲間集団)のなかで社会性・道徳意識とあいまり形成
              1)他人の目に映っている自分の像
              2)自分の外面に対する他人の評価・判断についての想像
              3)それに対する自分の反応(怒り・屈辱・不安・自信など)
 

  ◇ 個人と社会の相互依存・分裂:トマスとパーク
    ・トマス:社会が「秩序ある共同生活の場」となるための必要な要素
          →「価値」…明示的・公式に規範化されたもの
                ⇒社会全体に及ぶ=「社会制度」形成
        ・社会に生きる人間…「態度(本能・感情・欲求を表出する行動の傾向)」を
                  統合させ、「社会的パーソナリティ」を獲得した上で「行動」
          →社会的パーソナリティ:
            「フィリスティン」…行動を社会組織の支配的規範に適応
             「ボヘミアン」 …規範に適応できず、制度的拘束を避ける
             「創造的人間」 …新しい体験を求める願望・実践→価値の再定義・創造
          →「状況の定義」…「行動」の前の手段・結果の考慮・思案過程
                  ⇒社会的パーソナリティの形成がうまくいかない場合、状況を快楽原則に
        ・反乱:古い価値体系の特定の部分を破壊→個人的欲求を満たすための集団行動
         革命:古い価値体系を、意図的に集団全体の新しい価値の制度化を求め破壊する
    ・パーク:秩序原理…「生態学的秩序(共生的秩序)」
               ↓諸個人、利益を求め、分裂・競争と分業・依存が同時進行
              「道徳的秩序」…諸個人の意図的・人為的な共同目標を制定
                    ⇒「共同目標」により各人の役割を位置づけ、「優越性」を消去
         ・社会に生きる人間…「(社会的)役割」の遂行を通じて、「自己概念」を形成
                   →「自己概念」:本能・欲求を意識的にコントロール
                          =社会的欲求に適合させる
         ・「マージナルマン」…二つの社会に挟まれ同化できない
            ⇒不確定な「自己概念」=相対的態度、より広い地平を観察可能=合理的人間
        

  ◇ シンボリック相互作用論:ミードとブルーマー
    ・ミード:自我…シンボルに媒介されるコミュニケーションを通して複数の他者の期待を
            取り入れ(=役割取得)、それらを「一般化された他者」の期待として、
            纏め上げる中で形成・発展
            → 「遊戯」…「特定の他者」の「役割」を取得
             「ゲーム」…互いに違った役割を、全体の中に位置づけて行動
                  ⇒「一般化された他者」の役割取得=「十全な自我(社会的産物)」
            →「主我」…個人のパーソナリティ・生活方針 →「快楽原則」が強い
             「客我」…    社会の価値=規範    →功利性・安全の面から
              ⇒「主我」は「客我」に対して反省的精神・自覚的精神を持つ

    ・ブルーマー:人間…他者の行為や状況の意味を自己との相互作用により解釈し、その解釈
              に基づいて自らの行為を主体的に組織できる存在
           社会…人間のシンボリックな相互作用からなり常に変化の過程にあるもの
          ⇒人間が社会−経済状態によって規定されている側面の強調に反対→創造性の強調


 ●構造−機能主義の成立: 
  パーソンズの理論:経済学の枠を超えて、社会学の視点からトータルに
            資本主義社会を分析することを目指す
   (1)主意主義的行為理論…行為の方向付けにおける人間の意志に注目
         →経済学における功利主義的な人間行為観を批判:
           …共有化された価値体系が規範として人々の行為を制御し、
            相互の行為を予測可能にすることによって社会秩序が成立
   (2)構造−機能分析:
         →社会:多くの要素が複雑に結びついたシステム
             諸要素(変数)は相互に影響を及ぼしあって、
             最終的に安定した均衡状態を保つ
     機能:システム維持のために必要な各要素の活動「変数」
     構造:機能を現実に担うのは比較的安定した制度的実体としての構造「定数」
    

       →4つの機能要件:
         A(Adaption,適応)、  G(Goal-attainment,目標達成)、
         I(Integration,統合)、L(Latency,潜在性)
   (3)理論の受容と批判:
      →1960年代頃から「抽象的、構造変動を説明できない」「闘争・分裂の価値を軽視」
              「現状肯定の保守主義」 などの批判


  ●マートンの理論:
    →社会学…規定された変数間の諸関係を定式化された形で検証可能にするもの
         限られた範囲に適合する「中範囲の理論」の構築を目指すべき
     機能主義:変数間の諸関係を明確に定式化した形で検証できるように
          述べられた社会学理論を構築するための有効な分析視角
       ・機能:有機体の維持に役立つという観点から見た客観的結果
           (×当事者の主観的意向)
       ・逆機能:システムの適応ないし調整を減ずる観察結果
       ・顕在的機能(当事者に認識されている結果)
        潜在的機能(認識されていない結果)


  ●機能主義の説明の3タイプ:
   (1) 社会の内部にある機能(制度など)の諸機能間の相互依存関係を仮定し説明
   (2) 機能の存在・生起を社会における人間の欲求(心理学的要因)の充足から説明
   (3)         を社会を包含する全体社会・社会体系の維持から説明
    ⇒ (3)…パーソンズ社会学的機能主義・方法論的全体主義