09/05/25 論断時評

松原隆一郎・社会経済学者:


◇経済学の行方:

   ・GMの幹部数人が退職金の一部となるはずの自社株約20万株(約2千万円相当)を
     前倒しで受け取り、すべて売却していたことが判明
       →GM、08年来130億ドルを超えるつなぎ融資を受けている
          ⇒リスクを引き受けない経営陣がモラル欠いた行為



 竹中平蔵
    ・日本の外需依存の原因:
       →内需が伸びなかったため
         ⇒構造改革が止まり企業・国民の期待成長率が下がったため
    ▼竹中的サプライサイド思想:
       構造改革により供給の効率を高めれば自動的に需要増
          ⇒一国経済は自律的に発展

      ※「需要不足時の供給力強化→需給ギャップ拡大=不況深まる」という
        反論は受け付けない(悪いのは反対勢力のせい)



 サミュエルソン・トービン:
    ・「ケイジアン」
    ・1960年代:伝統マクロ経済学(IS-LMモデル)を駆使して
           不況時の財政支出を正当化
             →が、80年代:ミクロ的基礎付けがないと批判受ける



 ▽M.フリードマン
    ・最適化行動…個々の主体、政策・技術に関する将来の外生的ショックを予想
  ▼RBC(リアル・ビジネス・サイクル・モデル):
     ・参加者が1人だけ
     ・情報・競争が完全な純粋市場
     →単純化
  ▼DSGE(動学的一般均衡分析):
     ・情報が不完全な場合/価格が硬直的な場合/職探しに費用がかかる場合…
       →単純化したモデルに条件加える
     ・インフレ目標という金融政策・労働の流動化促進という政策提言導出



 ▽A.レイヨンフーヴッド:
    RBCという「公理」を保持し追加条件を変えてDSGEを取り繕う策
      →「知的に破綻した事業計画」と批判

         ▽「将来収益が正規分布に従う」という中核仮説、
            →バブル崩壊という現実に反する
         ▽米国の物価安定…輸入材がもたらした
            →金融政策は想定外のバブルを生んだ
  


 ▽平井俊顕:
    ・「DSGE、金融危機というショックを外生的とみなす」と批判
    ・量的金融緩和によるだけでは景気回復おぼつかない
    →前提仮定を現実的なものにするべき
       ・「(市場の)不在化」:
          →証券化商品を現実の市場価格ではなく理論値で値付け
       ・「不透明化」:
          →ヘッジファンドを金融当局による監督から除外
       ⇒新自由主義がもたらした面も



 ケインズの「一般理論」:
    ・賃金が下がっても総需要が縮小し不均衡が拡大する可能性を語る
       →貨幣を保有したまま使わない人がいれば不況になると示唆
         ⇒バブルとその崩壊、貨幣経済に特有の現象
     ※RBC(物々交換モデル):
        ・相対価格が収縮すれば需給は均衡
           →価格の硬直性でしか不況を説明できない
           →賃金が下がれば失業はなくなると見る



 小島寛之
    ・「協力が壊れる」…皆が貨幣を持ちたがることで株価が暴落する状況
    ・貨幣保有に留まる理由:
       ・「不安」…起きうるケースの主観的確率の和が1に満たない状況
       ・「曖昧な消費」…どちらの商品が欲しいとも確定できない




□川村陶子・成蹊大准教授(国際関係論):


◇冷戦後20年、今後を展望:
  →ベルリン:壁崩壊から20周年
    ⇒世界は20C後半以降の時代を総括し、今後を展望するときへ


 ▽納家政嗣:
   ・新自由主義の台頭と浸透に注目
      →「ポスト冷戦」は80年代に始まっていたと論じる


 北岡伸一:/▽山本吉宣
   ・第2次大戦後の世界…今日まで一貫して米国優位
                →冷戦終焉がその事実を決定付け
   ・単極構造はソ連崩壊後に成立


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