経済政策(財政政策と金融政策)
○ 経済政策(財政政策と金融政策)
●財政政策
□財政…歳入と歳出を操作することで国民の経済福祉の維持向上を図る
◇機能:資源配分/所得の再分配/経済の安定成長
◇フィスカル・ポリシー:
…物価の安定・国際収支の均衡を図りながら完全雇用・経済成長・経済福祉の向上を目標に
◆ビルトイン・スタビライザー:
→景気変動を自動的に緩和
・所得税(累進課税)/法人税(景気変動に左右される)
・雇用保険制度
◆裁量的財政政策:
・景気上昇→財政支出による公共事業の抑制・増税 ⇒総需要減少
・景気後退→赤字財政になっても財政支出を拡大・減税 ⇒消費・投資を刺激
●金融政策
□金融政策の手段
・中央銀行…マネーサプライ(貨幣供給量)を操作し、景気コントロール
⇒金融政策手段:公定歩合操作、公開市場操作、支払準備率操作
1)金利政策(公定歩合操作):
◇公定歩合…中央銀行が市中銀行に貸付を行う際に適用される基準金利
・景気上昇→公定歩合の引き上げ=市中金利の上昇⇒資金需要を減少
・景気後退→公定歩合の引き下げ=市中金利の引き下げ⇒資金需要を刺激
◆コスト効果:
…公定歩合の操作による資金調達コストの変化による直接的な効果
⇒近年、市中銀行がコール市場など市場からの
資金調達への依存度高い→公定歩合のコスト効果なくなる
◆アナウンスメント効果:
…公定歩合を変更→経済に対する中央銀行の金融政策のスタンス明確に
⇒依然としてアナウンスメント効果大きい
2)公開市場操作(オープン・マーケット・オペレーション):
◆公開市場操作…中央銀行、金融機関に対して債権(国債など)・手形を売買して
マネーサプライに影響を与える政策
・景気上昇→売りオペ(手持ちの有価証券を売却)⇒資金を市場から吸い上げ
・景気後退→買いオペ(市場から有価証券を買い上げ)⇒市場に資金を放出
3)支払準備率操作(預金準備率操作):
◇市中銀行の義務…受け入れている預金の一定比率以上の金額を日本銀行に預け入れする
⇒この比率=支払準備率 …この比率を操作しマネーサプライを調整
・景気上昇→支払準備率の引き上げ⇒市中銀行の信用創造力の抑制
・景気後退→支払準備率の引き下げ⇒市中銀行の信用創造力の促進
□デフレ経済と日本銀行の金融政策
◇ゼロ金利政策
※かつての日銀の金融政策の主要な操作目標:
→コール市場(無担保翌日物)の金利
・1999/2:日銀、無担保物金利の誘導目標をゼロ%に
→その目標を達成するように買いオペ実施
「ゼロ金利政策」 (2000/8まで続き、その後0.15%に上方修正)
◇量的緩和
◆2001/3:日銀、日銀政策決定会合で金融市場調整の目標を
金利(コールレート)から資金量(日本銀行当座預金残高)に変更
※日本銀行当座預金…金融機関が日銀に保有する当座預金
→オペレーションにより日銀当座預金残高を増
=金融市場の資金量を増やす
⇒量的緩和:通貨の総量を増やす政策
◆量的緩和の効果:
1)短期金利の低下
2)ポートフォリオ・リバランス効果
(金融機関が無利子の日銀当座預金口座から資金を貸出や債券・株式等へ回す)
3)期待効果
(日銀が資金を供給することにより、将来の物価上昇や景気回復の期待が家計・企業に広がる)
□銀行の不良債権問題
◇不良債権…回収することが困難になった銀行の貸出債権
・多くの金融機関が一斉に多額の不良債権を抱えたために間接金融が機能不全
⇒銀行の金融仲介機能低下
・金融機関の経営の健全化に不安を持つ
⇒金融システム不安を起こす
※全国銀行の不良債権残高:
・2002/3月期…43.2兆円
・2003/3月期…35.8兆円
□預金保険法改正
◆2002/12:預金保険法改正
…預金保護・破綻金融機関の処理方法・金融危機などの対応
→2003/4に予定されていたペイオフの全面凍結解除を2年延長決定
□破綻金融機関の処理方法
◇ペイオフ方式…保険金を直接預金者に支払う
2002/4〜2005/3 2005/4〜 当座預金・普通預金 全額保護 一定の条件を満たす預金は全額保護 定期預金・定期積立 合算して元本1000万まで利息も保護 左同 外貨預金・譲渡性預金 保護対象外 保護対象外 ◇資金援助方式:
…救済金融機関に破綻した金融機関の営業(事業)の一部・全部を移管し、資金援助を行う
1)破綻金融機関に金融整理管財人を派遣
→業務の執行や財産の管理・処分を行う
2)破綻金融機関を健全な金融機関(救済金融機関)に営業譲渡・合併
→預金保険機構が救済金融機関に資金援助を行う
3)暫定的に継承銀行(ブリッジ・バンク)に業務を引き継がせる
※救済金融機関が直ちに見つからない場合の処理
その間、受け皿となる銀行を探す
□産業再生機構
◇2003/5:産業再生機構が正式に業務開始
→金融機関等から債権を買い取り、企業の再生を支援
=金融と産業の一体的な再生を目指す
◇産業再生機構のメリット
…当事者間だけでは調整困難な金融機関等の利害を中立的に調整
→中立的な立場から債権の集約化を促進して過剰債務企業の
有利子負債を削減し、企業の再生を目指す