商業簿記3:商品売買


□三分法:
  →商品売買を「仕入」勘定(費用)・「売上」勘定(収益)・「繰越商品」勘定(資産)で処理




 ◇「仕入」(費用):増えれば借方/減れば貸方
    ▼「現金」での仕入 :(借)仕入 ×× (貸)現金 ××
    ▼「小切手」での仕入:(借)仕入 ×× (貸)当座預金 ××
    ▼「掛け」での仕入 :(借)仕入 ×× (貸)買掛金 ××
               →後で払う (借)買掛金 ×× (貸)現金 ××
                 ⇒「買掛金」(負債)…増えれば貸/減れば借
 

     仕入戻し(返品)・仕入値引(値引き)…以前に行った仕入の仕訳を取り消す
     仕入諸掛…運賃・保険料・手数料など仕入に関して発生した費用
             →「仕入」に含めて処理(自分負担の仕入諸掛)
               ※相手負担の仕入諸掛…立替金(資産)で処理
                  ex)(借)仕入 ××  (貸)買掛金 ××
                      立替金 △△ (貸)現金 △△
     ▽内金を払って仕入:予約金として代金の一部を前もって支払い
                →「前払金」(資産)で処理
         ・お金を払ったとき…前払金(資産)増
            ex)(借)前払金 ×× (貸)現金 ××
         ・商品を受け取ったとき…前払金減、仕入計上
            ex)(借)仕入 ×× (貸)前払金 ××



 ◇「売上」(収益):「売上」勘定・増えたら貸/減ったら借
    ▼「現金」で売上 :(借)現金 ×× (貸)売上 ××
    ▼「小切手」で売上:(借)現金 ×× (貸)売上 ××
    ▼「掛」で売上  :「売掛金(後でお金を受ける権利)」が増
              →(資産)増えれば借/減れば貸
                ex)(借)売掛金 ×× (貸)売上 ××
                   ※後で掛け代金を受け取ったとき
                     →(借)現金 ×× (貸)売掛金 ××


   ▽売上戻り(返品)・売上値引…以前に行った売上の仕訳を取り消す
   ▽売上に係る費用…販売に関して発生した費用→販売所掛り
             →「発送費」という費用勘定で処理(自己負担の場合)
               ※販売諸掛が相手(買主)負担:
                →「立替金」(資産)で処理or「売掛金」(資産)に含める
        

   ▽内金を受け取って売り上げたときの仕訳
      →「前受金」(負債)で処理…増えれば貸/減れば借
         ・お金を受け取ったとき…「前受金」(負債)増
             ex)(借)現金 ×× (貸)前受金 ××
         ・商品を渡したとき…「前受金」(負債)減・「売上」(収益)を計上
             ex)(借)前受金 ×× (貸)売上 ××



  ◆割戻と割引:
    ・割戻…一定期間内の取引高が所定の取引量・金額を越えた場合に
         得意先に対し売上代金の一部を返礼
             ※値引・返品と同じ処理
           ・買主:仕入割戻 ex)(借)買掛金×× (貸)仕入××
           ・売主:売上割戻 ex)(借)売上×× (貸)売掛金××
    ・割引…予め定めた期日前に(掛)代金を決済した場合に
         一定の割合で代金の一部を割り引く
             ※割引額…決済日〜支払期日までの利息相当部分
           ・買主:仕入割引
             ex)(借)買掛金×× (貸)当座預金×△
                          仕入割引△△
           ・売主:売上割引
             ex)(借)現金××   (貸)売掛金×△
                 売掛金△△
       
  ◆未着品売買:
     →商品を仕入れる際に貨物引換証船荷証券等の貨物代表証券を先に受け取る場合
       1)貨物代表証券を入手 → 「未着品」勘定(資産)
          ex)(借)未着品 × (貸)買掛金 ×
       2)貨物代表証券と引換に商品を受け取る→「未着品」勘定から「仕入」勘定に振り替え
                           ※引取運賃は仕入原価に加算
          ex)(借)仕入 ×  (貸)未着品 ×
       3)未着品を売却 → 売上高を「未着品売上」勘定(収益)の貸方に
                  +「未着品」勘定を「仕入」勘定(借方)に振り替え
          ex)(借)売掛金 ×  (貸)未着品売上 ×
             (借)仕入 ×   (貸)未着品 ×


  ◆委託販売:
     →一定の手数料を支払い自己商品の販売を他人(受託者)に委託
       1)商品を積送したとき
         →積送した商品の原価をもって「仕入」勘定から「積送品」勘定の借方に振り替え
            ※運賃などの積送諸掛は「積送品」勘定に加算
               ex)(借)積送品 ×  (貸)仕入 ×
                            現金(積送諸掛現金払い) ×
       2)委託者の売上収益計上時点(受託者が委託商品を販売した時点)
         ▼受託者の売上額をもって計上する方法(原則的処理法)
            →売上金額を「積送品売上」勘定の貸方に、販売諸掛を「積送販売費」の借方に
               ex)(借)売掛金 ×    (貸)積送品売上 ×
                   積送販売費 ×
         ▼委託者の正味手取額をもって計上する方法(例外的処理法)
            →正味手取額(売上金額−販売諸掛)を「積送品売上」勘定の貸方に
              +「売掛金」勘定の貸方に
                ex)(借)売掛金 ×  (貸)積送品売上 ×


  ◆受託販売:
     →一定の手数料を受け取る約束で他人(委託者)の商品を販売
        1)委託された商品を受け取ったとき
          →商品の受け入れについての仕訳は不必要だが、
            委託者に対する債権・債務についてのみ「受託販売」勘定で処理
              ex)(借)受託販売 ×  (貸)現金 ×
        2)委託された商品を他に販売したとき
          →売上勘定は記入しないが、受け取った代金(=委託者に対する預り金)は
            「受託販売」勘定の貸方に記入
              ex)(借)売掛金 ×  (貸)受託販売 ×
        3)売上計算書(受託販売の明細)を作成したとき
          →請求未済の委託者負担の保管料・雑費などの立替分・手数料の受領額を
            「受託販売」勘定の借方に
              ex)(借)受託販売 ×  (貸)保管料   ×
                             受取手数料 ×
        4)販売代金を委託者に支払ったとき
          →[預り金−立替金・手数料]を委託者に支払う
            ⇒委託者に支払った額は「受託販売」勘定の借方に
               ex)(借)受託販売 × (貸)当座預金 ×
                            ※販売代金小切手払い


  ◆割賦販売:
    →購入者が代金を分割して規則的に支払うことを条件に商品引き渡し
      ▼販売基準:通常の掛売上と同様に商品を渡したときに売上収益を計上
             →「割賦売掛金」勘定(資産)を借方、「割賦売上」勘定(収益)を貸方に
               ※代金の一部を回収したとき「割賦売掛金」勘定を貸方に
                  ex)(借)割賦売掛金 ×  (貸)割賦売上 ×
      ▼回収基準:割賦売掛金の入金の日をもって売上収益を計上
      ▼回収期限到来基準:割賦売掛金の支払期限の到来日をもって売上収益を計上


  ◆試用販売:
    →予め得意先に商品を送付・試用してもらい、買い取りの意思表示をもらうことで売買成立
      1)商品引き渡し:
        →備忘記録として「試用販売売掛金」勘定を借方、「試用販売」勘定を貸方に売価で
           ex)(借)試用販売売掛金 ×  (貸)試用販売 ×
      2)買い取りの意思表示があったとき:
        →「試用売上」勘定を貸方+「試用販売」勘定を借方、「試用販売売掛金」勘定を貸方
           ex)(借)売掛金  ×  (貸)試用売上    ×
             (借)試用販売 ×  (貸)試用販売売掛金 ×
      3)商品返送時
        →「試用販売」勘定を借方、「試用販売売掛金」勘定を貸方に
           ex)(借)試用販売 ×  (貸)試用販売売掛金 ×
  

  ◆未収金:
    →商品以外のものを売ったとき代金を受け取っていない場合
       ※商品の場合…売掛金
  ◆未払金:
    →商品以外のものを買ったとき代金を支払っていない場合
       ※商品の場合…買掛金
         ▼モノを売った/買ったとき:
            ・モノを売った側…未収金(資産)増
            ・モノを買った側…未払金(負債)増
         ▼代金を受け取った/支払ったとき:
            ・売った側…未収金(資産)減
            ・買った側…未払金(負債)減




□商品の決算整理
 ◇通常の決算整理
   ◆決算整理前の残高試算表:
     ・「繰越商品」勘定(資産)→期首の商品
     ・「仕入」勘定(費用)  →当期の仕入
   ⇒決算整理で修正:
     ・「繰越商品」勘定(資産)⇒期末の商品
     ・「仕入」勘定(費用)  ⇒当期の売上原価

       1)「繰越商品」勘定の前期繰越高を「仕入」勘定の借方に振り替え
       2)期末商品棚卸高を「仕入」勘定の借方から「繰越商品」勘定の借方に振り替え
 

   ▽棚卸減耗費…商品の帳簿残高と実際の残高との差額
            →「棚卸減耗費(棚卸減耗損)」勘定(費用)を借方に
              ※棚卸減耗費=原価×(帳簿棚卸数量−実地棚卸数量)
   ▽商品評価損…取得原価と時価との差額
            →「商品評価損」勘定(費用)を借方に
              ※商品評価損=(原価−時価)×実地棚卸数量



 ◇棚卸減耗費も含めた決算整理
    1)「繰越商品」勘定の前期繰越高を「仕入」勘定の借方に振り替え
    2)期末商品帳簿棚卸高を「仕入」勘定から「繰越商品」勘定の借方に振り替え
    3)帳簿棚卸高と実地棚卸高の差額から棚卸減耗費を算定
      →「繰越商品」勘定の借方から「棚卸減耗費」勘定の借方に振り替え
    4)実地棚卸高について原価と時価を比較
      →時価<原価のときはその差額を商品評価損として
        「繰越商品」勘定の借方から「商品評価損」勘定の借方に振り替え


    ex)
      1) (借)仕入××    (貸)繰越商品××
      2) (借)繰越商品××  (貸)仕入××
      3) (借)棚卸減耗費×× (貸)繰越商品××
      4) (借)商品評価損×× (貸)繰越商品××