09/05/22 温室ガス削減 対立先鋭

○首相、6月に中間目標決定

  →閣僚・経済界・労働組合・環境団体を巻き込んだ綱引き
    ⇒5月24日:「地球温暖化問題に関する懇談会」で大詰めの調整に

           →経済界・科学者・国際政治の思惑が絡む「正解のない超複雑な連立方程式
   


 温室効果ガスの排出量の長期目標と中期目標:
   ・長期目標…2050年までの削減目標
           →08年:福田首相(当時):「現状より60〜80%減」と示す
   ・中期目標…2020年までの削減目標
           →09年6月:麻生首相が決定
           →09年12月:国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP15)
                  ⇒これに向けた日本の基本的立場に



◇中期目標:6つの選択肢と各団体の主張


1)排出量を90年比「4%増」に:
  ・政府が中期目標検討委員会で4月にまとめた6つの選択肢の中で最も緩い
  ・今の省エネ努力を続ければ達成できる想定
  ▽支持団体:
    ・59の経済・業界団体…日本経団連日本鉄鋼連盟など
       
    ・7つの産業別の労働組合基幹労連など
  ▽支持理由:
    ・国際的公平性/国民負担の妥当性/実現可能性の観点から
    ・社会経済・雇用に与える影響、家庭の費用負担の大きさから
  ▼問題点・反対理由:
    ・「4%増」では温暖化対策の国際的枠組みに中国を引っ張り込めない
    ・斉藤環境相:「日本がそんな目標を出したら世界の笑いものに」



2)排出量を90年比「1%増〜5%減」に:
  ・「先進国全体で25%減」が土台 ※4)と同様
    →国ごとの削減量を過去の省エネ対策の進み具合を考慮し割り振るケース
  ・日本の削減幅を比較的小さくできる
  ▽支持団体:
    ・日本商工会議所
  ▼問題点:
    ・計算方法が複雑
    ・連携が必要な他の先進国の間で合意を得るの困難



3)排出量を90年比「7%減」に:
  ・経産省の審議会がまとめたエネルギー需給の長期予測が土台
    →最新技術のものに入れ替える設備の対象を新規導入のものに限定
  ▽支持団体:
    ・経済同友会(経営者が個人で参加)…桜井代表幹事(リコー会長):
  ▽支持理由:
    ・国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が「先進国で25〜40%削減」案示す
      →科学の視点から
    ・「関係者が妥協できるぎりぎりの解」との見方から



4)排出量を90年比「8〜17%減」に:
  ・「先進国全体で25%減」が土台 ※2)と同様
     →国ごとの削減量を経済規模に応じて割り振るケース
  ▽支持理由:
    ・今後の国際交渉でのカードの確保のため数字に幅を持たせること可能
  ▼問題点:
    ・計算方法が複雑
    ・連携が必要な他の先進国の間で合意を得るの困難



5)排出量を90年比「15%減」に:
  ・最新技術のものに入れ替える設備の対象を新規導入+既存の一部に



6)排出量を90年比「25%減」に:
  ・ほぼ全ての設備(既存のもの含め)を最先端の省エネ性能のものに入れ替え想定
  ・政府が中期目標検討委員会で4月にまとめた6つの選択肢の中で最も厳しい
  ▽支持団体:
    ・環境NGO・気候ネットワーク…「30%減」
    ・世界自然保護基金(WWF)ジャパン…「15〜30%減」
    ・公明党民主党…公約に掲げる(予定)
  ▽支持理由:
    ・国際交渉でアピール
  ▼問題点・反対理由:
    ・20年時点:1世帯当たりの年間可処分所得を22万〜77万円押し下げ(恐れ)


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