国際通貨体制
○ 国際通貨体制
□ブレトン・ウッズ体制(IMF体制):
◇1944:ブレトン・ウッズ協定
→第二次大戦を招いた国際経済要因の反省/戦後の国際通貨の安定
自由貿易の振興/戦災国の復興と発展途上国の開発を目指した国際協力体制づくり
◇ブレトン・ウッズ体制を支える機関
◆1945:IMF(国際通貨基金)
→固定相場制採用(1ドル=360円)
為替制限の撤廃/短期資金融資に基づく為替の安定化による国際貿易の促進
SDR(IMF特別引き出し権)の創設
※1978:IMF協定改正
→以降、各国の外国為替市場への介入監視、
政策協調のための協議機関としての役割へ変化
◆1946:IBRD(国際復興開発銀行=世界銀行)
→長期資金融資と技術援助の提供による戦災国の復興と発展途上国の開発
◆1948:GATT(関税と貿易に関する一般協定)
→高関税、輸入数量制限などの障壁を撤廃し、自由貿易を促進して国際貿易の発展を企図
□ブレトン・ウッズ体制の崩壊
◇ブレトン・ウッズ体制:
→「ドル−金の交換(金1オンス=35ドル)を可能としたうえで、
ドルと各国通貨の交換比率を定める」という大量の金保有国であった米・ドルへの信頼により成立
◆1960's半:米…西欧諸国(EC)や日本の経済発展+ベトナム戦争の軍需費突出
→米の国際収支悪化
◆1971/8:ニクソン・ショック…国際収支悪化・金流出・インフレ
⇒ブレトン・ウッズ体制の実質的崩壊
□ブレトン・ウッズ体制以後
◆1971/12:スミソニアン体制(10カ国蔵相会議):
→ドルの引き下げ/ドルに対する各国通貨の切り上げ/固定為替相場制の変動幅拡大
◆1973/2:変動為替制への移行
◆1976/1:キングストン体制(ジャマイカ・キングストン)
→IMF暫定委員会を開催し、変動為替相場制を正式に合意
◆1985/9:プラザ合意
→ドル高是正を目的とした五カ国蔵相会議での政策的協調介入に関する合意
⇒以降、ドル安に成功
※日本:急激な円高→企業の国際競争力の低下
◆1986:ウルグアイ・ラウンド
◆1995:WTO(世界貿易機関)…モノ・サービス・知的財産を協議対象に
□90年代の各国通貨危機とIMF
◆1994末:メキシコ通貨危機
→通貨ペソの急落⇒株式・証券市場の国際化を背景とする危機の世界化
※アルゼンチンへ
◆1997/7:アジア通貨危機
→ヘッジ・ファンドなどのタイ通貨バーツに対する売り圧力に対抗し、
タイ中央銀行が変動為替相場制へ移行(バーツの切り下げ・価値の大幅下落)
⇒フィリピン・ペソ、マレーシア・リンギッド、インドネシア・ルピア
韓国・ウォンの変動為替相場制への移行と対ドルのレートの切り下げ
※タイ、インドネシア、韓国がIMFへ金融支援要請
→日本、300億ドル規模の支援決定
◆1998/5:ロシア通貨危機
→ロシア通貨ルーブルに対する売り圧力からIMFへ支援要請