09/04/30 外国人在留管理、厳格化に反発も
○新カード導入の法改正案
→衆院法務委員会で日本滞在の外国人の在留管理制度を
全面的に見直す出入国管理法などの改正案審議が開始
▽現行の外国人登録制度:
・国が自治体に手続きを委託
・不法滞在者でも市町村の窓口で外国人登録証(外登証)を取得可能
→適法に滞在しているかを問わない
⇒銀行口座の開設・就労の「身分証明書」として使用される面も
※法務省、出入国情報を管理
→が、転居を届け出る義務ないため滞在中の状況は把握不可
⇒これを解消するため、自治体と専用回線で結び
住所などの情報も同省が継続的に管理する制度求められる
▽新制度案…「在留カード」の導入:
・偽造防止用のICチップ入り
・名前・住所・在留資格などが記載
→就労可能かどうか明示(不法就労も見抜ける仕組み)
・3ヶ月を超え、滞在する16歳以上の外国人に携帯義務
→不携帯には刑事罰
・外登証は廃止
→外登証に比べ、国への届け出事項を大幅に削減
・在留期間の上限を3年から5年に延長
・届け出や変更の申請の簡素化
⇒法務省「適法な滞在者はより便利になる」
※新在留管理制度、改正法成立から3年以内に施行される予定
▼新制度への反発・懸念:
・カードの携帯義務、行き過ぎ(不携帯に刑事罰科すのは重すぎ)
・住所変更の届け出違反や結婚実態により在留資格を取り消す規定は厳しすぎ
・最終判断まで時間がかかる難民申請者が対象から外れている
→身分が不安定に
・厳しく監視すれば新たな差別につながる
→法案の発想そのものに批判的
※民主党…常時携帯義務と刑事罰削除などを求める修正案まとめる
▼新制度の課題:
・約11万人いる不法在留者をどう扱うか
→「在留特別許可」が認められる可能性も?
・約42万人いる在日韓国・朝鮮人ら特別永住者の制度の変更
→新たに「特別永住者証明書」交付
⇒記載事項の簡素化/2年以内の再入国なら許可が不要
※評価の一方、証明書の常時携帯義務はなくすべきとの声も